(第179号) 昭和初期の女性の人形 ~三四呂人形―パラソルと花子さん~ (平成15年4月1日号)
三四呂(みよろ)人形といえば、三島では長く人気のおみやげものでした。
近年、製作グループが解散したため作られなくなり、寂しく思っている人は少なくありません。
おみやげものとして売られていた三四呂人形は、40年ほど前に、三島母の会が作り始めた複製品(陶器に和紙を貼ったもの)です。
オリジナルの三四呂人形は大中島(本町)出身の野口三四郎が昭和4年(1929)から亡くなる12年(1937)にかけて製作した張子(はりこ)の人形です。三四郎の代表作「水辺興談(すいへんきょうだん)」「里子」「桃子」など約20点は収蔵品の企画展時に展示する場合もあります。
このほか、三四郎は張子やその他の素材を用いて素朴な子供の世界を表現した人形を製作し、作品の多くは遺族や親しい友人の家に残されています。
写真の二作品はいずれも子息、野口冬樹氏(静岡在住)が所蔵しているものです。
右の作品「パラソルさして」は、昭和初期のモダンな若い女性の姿を人形にしています。水玉のパラソル、ショートカットにしゃれたベレー帽、花柄のワンピ-ス、当時流行のスタイルです。
左の作品「花子さん」は赤い着物を着て髪を高く結った愛らしい女性の人形です。一説には肺を病んだ三四郎を晩年世話した女性をモデルにしたと伝えられています。 対照的な二人の女性を三四郎はきめ細やかに描いています。
この他、「少年の四季」「少女の四季」のテーマで、子供達の遊び---魚釣り、トンボ取り、栗拾い、野球、などの情景を躍動感ある作品に仕上げています。
体長十数センチメートルの小さな作品ばかりですが、いずれも今の時代が失ってしまった、おおらかで素朴な風情があります。70年たった現在も表情の愛らしさは見る人達を惹きつけてやみません。
本年、商工会議所や北上くらしのサロンが中心となり、三四呂人形を再びおみやげとして甦らせる試みを行っています。
(広報みしま 平成15年4月1日号掲載記事)
近年、製作グループが解散したため作られなくなり、寂しく思っている人は少なくありません。
おみやげものとして売られていた三四呂人形は、40年ほど前に、三島母の会が作り始めた複製品(陶器に和紙を貼ったもの)です。
オリジナルの三四呂人形は大中島(本町)出身の野口三四郎が昭和4年(1929)から亡くなる12年(1937)にかけて製作した張子(はりこ)の人形です。三四郎の代表作「水辺興談(すいへんきょうだん)」「里子」「桃子」など約20点は収蔵品の企画展時に展示する場合もあります。
このほか、三四郎は張子やその他の素材を用いて素朴な子供の世界を表現した人形を製作し、作品の多くは遺族や親しい友人の家に残されています。
写真の二作品はいずれも子息、野口冬樹氏(静岡在住)が所蔵しているものです。
右の作品「パラソルさして」は、昭和初期のモダンな若い女性の姿を人形にしています。水玉のパラソル、ショートカットにしゃれたベレー帽、花柄のワンピ-ス、当時流行のスタイルです。
左の作品「花子さん」は赤い着物を着て髪を高く結った愛らしい女性の人形です。一説には肺を病んだ三四郎を晩年世話した女性をモデルにしたと伝えられています。 対照的な二人の女性を三四郎はきめ細やかに描いています。
この他、「少年の四季」「少女の四季」のテーマで、子供達の遊び---魚釣り、トンボ取り、栗拾い、野球、などの情景を躍動感ある作品に仕上げています。
体長十数センチメートルの小さな作品ばかりですが、いずれも今の時代が失ってしまった、おおらかで素朴な風情があります。70年たった現在も表情の愛らしさは見る人達を惹きつけてやみません。
本年、商工会議所や北上くらしのサロンが中心となり、三四呂人形を再びおみやげとして甦らせる試みを行っています。
(広報みしま 平成15年4月1日号掲載記事)