二人の文学博士

三島ゆかりの作家とその作品

石川啄木研究の岩城之徳

岩城之徳
 岩城之徳日本大学教授は「石川啄木」研究の第一人者で、三島市教育委員としても活躍された。
『石川啄木伝』で文学博士となり、『啄木評伝』『定本石川啄木歌集』など数十冊の著書をもち、近代日本文学研究の重鎮でもある。
谷田城ノ内に住み、朝夕富士を眺めた研究生活だけに『啄木研究三十年』の中でも

「三島で朝夕仰いだ美しい富士を思い出し」

と三島の地を書き記している。

斎藤茂吉研究の藤岡武雄

藤岡武雄
 藤岡武雄元日本大学教授は「斎藤茂吉研究」の権威であり、また歌誌「あるご」を主宰する歌人でもある。『評伝斎藤茂吉』で文学博士となり歌集『千枚原』『一本の樹』『若山牧水』『富士百景』ほか、著書多数。
 また、校歌作詞やふるさとの歌などの作詞家、「文芸三島」の編集委員長・短歌部門選者として地域と密着した活動を続けている。
 日本歌人クラブ顧問。斎藤茂吉を語る会会長。小出正吾児童文学顕彰会会長。三島宗祇法師の会会長。裾野牧水を語る会会長。日本文芸家協会会員。日本ペンクラブ会員。現代歌人協会会員。

 玄関を開けば夕の茜雲富士をめぐり
 てためらふ如し

 真向ひの屋根に真白く霜降りて今
 朝は清楚な一枚の冬

 歌集『心の窪み』『雲の肖像』には三島の地が詩情豊かに歌われている。