I 水道事業の沿革(平成27年度版 三島市水道事業の概要)

創設上水道~第3期拡張事業

○ 創設上水道(昭和23年12月21日 厚生省静衛第119号) 
 昭和23年旧陸軍軍用水道施設の無償貸付を受け昭和24年8月供用開始、計画給水人口3万人、計画1日最大給水量4,500立方メートルで総事業費1,324万円をもって昭和26年度に完成しました。

○ 第1期拡張事業(昭和32年5月17日 厚生省静衛第399号) 
 その後、箱根山麓錦田方面の平坦部が急激な発展をしたため、昭和32年度に同地区の給水を目的とする第1期拡張事業を実施しました。

○ 第2期拡張事業(昭和36年12月28日 厚生省静環第239号)
 その後の市勢の発展と人口の増加により、既設の水源では配水量に不足を来たすことが予想されるに至り、全市を総合した新水源(伊豆島田)の確保と送配水施設の拡充を図るために第2期拡張計画が策定されました。
 昭和37年度から5箇年継続事業で総事業費3億9,789万円、計画給水人口6万人、計画1日最大給水量2万1,000立方メートルの事業により、市の平坦部全域に給水ができるようになりました。

○ 第3期拡張事業(昭和43年3月30日 厚生省環第303号)
 昭和42年には、国鉄新幹線三島駅の開設の決定や東名高速道路の工事が進むに従い、公共及び民間の宅地造成が盛んになり、将来の人口増が予想されるに至りました。一方、湧水が枯渇し始めるに従い生活用水の上水道依存度が増加したため、第3期拡張計画が策定されました。
 総事業費10億円(43年度から46年度までの事業費5億9,659万円)、計画給水人口10万人、計画1日最大給水量4万7,000立方メートルで、昭和43年度から着手し工事が進められました。

第4期拡張事業~

○ 第4期拡張事業(昭和47年3月25日 厚生省環第201号)
 その後の宅地開発などによる人口増や1人当たりの平均使用水量の増加によって、第3期拡張計画の配水量を超える見通しになってきました。
 一方、県は昭和45年から柿田川湧水を三島市、熱海市、函南町に水道用水として供給する駿豆水道用水供給事業に着手し、市は現在の水源である伊豆島田浄水場のほかに将来の水源確保と地下水規制の推進のためこれからの給水を受け入れることとしました。
 また、笹原から下の三ツ谷、市山、塚原、阿部野、台崎地区などの簡易水道は、水源の枯渇などから市営水道に統合する必要が生じてきました。これらの理由により第3期拡張計画を変更し、第4期拡張計画が立てられ昭和47年度から56年度までの10箇年継続事業で総事業費26億8,360万円で推進され、伊豆島田浄水場から3万4,000立方メートル、柿田川から3万立方メートル、計6万4,000立方メートルで11万人を対象に給水できる態勢が整えられました。

○ 簡易水道整備計画(昭和61年2月26日 環第2号の42)
 昭和61年度、給水困難な山中新田地域に市営簡易水道を建設するため、3箇年計画で「地域環境整備事業」に着手、総事業費1億2,569万円を投じ昭和63年度に完成しました。これにより、計画給水人口440人、計画1日最大給水量176立方メートルの給水態勢が整えられました。

○ 第4期拡張事業の変更(昭和63年4月28日 厚生省生衛第846号)
 計画時から長い年月を経過し、配水設備の不均衡や水圧低下地域等の問題を生じたため、平成6年度を目標年次として、施設の整備と給水区域の拡張を行ないました。

○ 第5期拡張事業(平成7年3月31日 厚生省生衛第356号
 平成6年当時、給水人口、給水量ともにほぼ既認可計画(第4期拡張変更計画)どおりの伸びを見せており、数年後には、配水能力の限界に達するものと考えらていました。また、開発が急速に進んだ高台地区と旧市街地における需給不均衡による水圧低下地区の発生や萩地区で進められていた開発計画への供給、更には佐野地区への供給などの諸課題が表面化しました。
 これらの対策として、将来における水道水の安定供給を図るため、計画を見直し、給水人口を124,000人、1日最大給水量を78,000立方メートルと定め、給水区域に佐野の一部を入れ、総事業費60億円で計画目標年次を平成20年度とする第5期拡張事業計画を平成6年に策定し、平成7年度から事業を開始しました。

○ 第5期拡張事業の変更(平成12年3月 事業認可対象外 任意の変更)  
 第5期拡張事業計画立案から5年ほど経過した時点で、給水人口・給水量共当初見込ほどの伸長率はなく、また平成10年12月に策定された「三島市都市計画マスタープラン」等の推計人口でも、当初計画目標人口を下回った目標数値が改めて設定されたことに伴い、これらの目標数値に基づき、当初計画の施設の整備方針を見直しました。
 見直しでは、給水人口に関しては今後、当初計画ほどの伸長率は見込めないと同時に、給水量に関しても当初計画ほどの伸びは予測できないとの方向性が示されました。
 この結果、当初の第5期拡張事業の基本数値は変わらないものの、当面の整備方針としては、給水人口を115,000人、1日最大給水量を67,000㎥に変更して、緊急を要するものから逐次整備を進めることとし、総事業費を36億円として事業縮小を図ることとしました。

○ 佐野見晴台簡易水道事業(平成17年10月20日 環水第1-2号)
 佐野見晴台の「ビューティータウン簡易水道」は、開発事業者により運営されていましたが、「特別清算」により運営できなくなり、佐野見晴台自治会等から市営簡易水道として市による事業運営の要望が出されました。
 このため、三島市水道事業審議会に諮問し、3回の審議を経て、「住民の将来にわたる不安を取り除き、安全で安定した給水を確保するため、市営簡易水道として引き継ぐことが適当である。」との答申を受けました。
 そこで、佐野見晴台簡易水道事業として、平成17年10月4日に計画給水人口3,619人、計画1日最大給水量1,289立方メートルの認可申請を行い、平成17年10月20日付けで認可され、事業を開始しました。

○ 第5期拡張事業の軽微変更(平成20年1月21日 健水収第0121001号)
 佐野地区において、第5期拡張事業認可取得時の給水区域の差異により、給水区域外となっている区域3か所の編入のため、軽微変更協議を18年度から行ない、平成19年度末に受理されました。
 なお、この時の計画値は人口推計を行ない、給水人口108,310人、1日最大給水量54,620㎥として届出を行ないました。

○ 三島市水道ビジョン整備計画事業(平成21年度~平成30年度)
 平成20年度をもって第5期拡張事業が終了することから次期整備計画策定のため、平成18年度及び平成19年度2箇年で三島市水道事業基本計画を策定し、平成20年度からこれに基づく整備事業を開始する予定でしたが、平成16年度に厚生労働省が策定した水道ビジョン※1が平成20年7月に改定されることになり、これに併せ基本計画内容も見直す必要が生じ、また厚生労働省の指導により、水道ビジョンの個々の事業体版「地域水道ビジョン※2」を策定する必要があったため、平成20年度に目標年度を平成30年度とする「三島市水道ビジョン」を策定し、この中で基本計画のフォローアップも行ない、平成21年度から、これに基づく整備事業を開始しました。

※1 水道ビジョン
 厚生労働省において策定されたもので、「世界のトップランナーを目指してチャレンジし続ける水道」を基本理念とし、わが国の水道の現状と将来見通しを分析・評価し、水道のあるべき将来像についてすべての水道関係者が共通目標を持って、その実現のための具体的計画を策定するためのアクションプランや目標を示したもの。

※2 地域水道ビジョン(三島市水道ビジョン)
 水道事業体が自らの現状を分析・評価したうえで、将来あるべき姿を描き、目標達成のための具体的方策を示したもの。

○ 三島市水道ビジョン【改訂版】整備計画事業(平成26年度~平成35年度)
平成20年度に策定した「三島市水道ビジョン」に基づき施設整備事業等を実施していましたが、上位計画である「第4次三島市総合計画」が策定され、さらに厚生労働省から「新水道ビジョン※3」が公表されたこと等により、平成25年度に三島市水道ビジョンの見直しを行い、新たに「三島市水道ビジョン改訂版※4」を策定しました。今後は、これに基づき事業推進を図っていきます。

※3 新水道ビジョン
厚生労働省において、平成16年の水道ビジョン策定から約9年が経過し、人口減少、東日本大震災など、水道を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、これまでの水道ビジョンを全面的に見直した「新水道ビジョン」が策定され、平成25年3月に公表したもので、基本理念を「地域とともに、信頼を未来につなぐ日本の水道」とし、これまで国民の生活や経済活動を支えてきた水道の恩恵をこれからも享受できるよう、今から50年後、 100年後の将来を見据え、水道の理想像を「安全」、「強靭」、「持続」の分類で明示し、理想像を具現化するための目指すべき方向性などを提示したもの。

※4 三島市水道ビジョン改訂版
平成23年3月に上位計画である「第4次三島市総合計画」が策定され、さらに平成25年3月に厚生労働省から「新水道ビジョン」が公表されたことを受け、長期の景気低迷や未曾有の大震災の影響波及等による水道を取り巻く環境の変化を踏まえ、平成25年度に三島市水道ビジョンの計画内容の見直しや事業実施スケジュールの再検証を行ったもので、将来の水道事業のマスタープランとして位置づけられるもの。