ふるさとの人物ゆかりの地13 花島兵右衛門(はなじまひょうえもん) (平成27年4月1日号)

 花島兵右衛門は三島宿竹林寺小路〈(ちくりんじこうじ)現在の三島市中央町)出身の実業家で、初期の国産練乳の中で代表的ブランドとなった「金鵄(きんし)ミルク」を開発、販売したことで知られています。

 まだ日本で牛乳が珍しかった明治一八年(一八八五)、彼は豊牧舎(ほうぼくしゃ)という牧場を開きますが、余った牛乳の活用法として練乳製造を試みました。試行錯誤の末、完成した練乳は上質な外国製練乳に引けをとらない出来栄えで人気となり、全国で販売されたほか軍隊へも納入されました。

 金鵄ミルクを製造していた花島練乳場は才塚〈(さいづか)現在の南二日町)にあり、合併による社名変更を経た後、森永煉乳に吸収され、戦後は森永乳業の工場になりました。昭和四十年代まで乳製品の製造を続け、その後は三島事業所として存続していましたが現在は市営南二日町住宅になっています。

工場外観(昭和二年)
▲工場外観(昭和二年)

【広報みしま 平成27年4月1日号掲載記事】