ふるさとの人物ゆかりの地9 矢田部盛治(やたべもりはる) (平成26年12月1日号)

 矢田部盛治は三嶋大社の神主で、安政の大地震後の大社を再建しました。

 また盛治は、農業を盛んにすることを考え、祇園原(加茂川町)に用水路を作り新田開発を行いました。明治元年(一八六八)、私費を投じ、かねてより計画していた祇園原用水(沢地川の水を祇園原に引き込む)建設を実行に移します。

 この用水路は全長七五〇メートルで、うち二四五メートルのトンネル部分を含む大工事でしたが、山の中腹に横穴を掘り進めるといった工夫により、わずか四カ月で完成させます。荒地であった祇園原は見事な水田へと変わり、民の暮らしは豊かになりました。人々は盛治に感謝し、昭和二十五年(一九五〇)記念碑が建てられました。

祇園原開発の碑(加茂川町)
▲祇園原開発の碑(加茂川町)

【広報みしま 平成26年12月1日号掲載記事】