三島の村名9 中島―その2―(中郷地区) 左内(さない)神社 (平成28年12月1日号)

 中島にある左内神社は、隣接する梅名(うめな)の右内(うない)神社とともに三嶋大社の御門の守護神と され、三嶋大社と同様に武士からの崇敬が厚かったと伝えられています。詳しい由緒などは不詳ですが、平安時代に成立した『延喜式神明(えんぎしきじんみょう)帳』に記載されている文梨(ふみなし)神社(父梨神社とも)が現在の左内神社であると推測されています。

 その名のとおり、かつては中島の集落を南北に貫く三嶋大社の参道でもある旧下田街道の東側(三嶋大社から見て左側)にありました。隣の中集落にある手無地蔵堂あたりの森にあったとも言われており、「父梨(ててなし)」が縮まって「手無(てなし)」となったと考えられています。その後、現在の中島浄水場付近に鎮座しま したが、火災により明治20年(一八八七)に旧下田街道西側の現在地に移転しました。

左内神社跡(中島)
▲左内神社跡(中島)

【広報みしま 平成28年12月1日号掲載記事】