バスクリンのお風呂博士に聞く!健康に役立つ「お風呂のコツ」(その9)

水道課では、スマートウェルネスの一環として、お風呂に関するお得な情報を発信するプロジェクト『みしま風呂ジェクト~なみなみ情報発信~』を推進中です。 眠りが浅いなど、睡眠に悩みを抱えている人は意外と多いと思います。今回は、株式会社バスクリンのスペシャリスト集団「チームお風呂博士」の入浴研究歴25年、快適で楽しいバスライフを推進されてきた製品開発部 フェローの石澤太市さんにお風呂と睡眠についてのお話をお伺いしました。

「快眠」に繋がる入浴方法を教えてください。そもそも人間の「体温」と「快眠」は大きく関係しているそうですね。

 睡眠のメカニズムは体温のリズムの影響を受けています。簡単に言うと、起床前は一番体温が低く、その後、時間の経過とともに体温が上昇し、夕方の6時~夜8時ぐらいに一番高くなり、徐々に体温が下がります。良質な睡眠を得るのに大切なのは、寝る前に体の深部体温(体の中の温度)がグッと下がることです。体温が下がることでスムーズな入眠や快眠につながります。

体温が下がることが睡眠に繋がるのですね。入浴すると逆に体温が上がってしまい、眠りにくくなってしまわないのでしょうか。

 入浴すると、血行が促進され、体全体が温まり、体温が1℃くらい上昇しますが、これは一時的なことで、入浴で一旦グッと体温を上げることが重要です。入浴後は、血管がひらいているために熱が放散されやすい体になり、結果として体温は下がっていきます。赤ちゃんは、眠くなると手足が温かくなる、とよく言われますが、これも入眠に向けての体温の変化で、体の中の温度を下げるため、熱放散をしているのです。

良質な睡眠に繋がる良い入浴方法がありましたら、教えてください。

 良質な睡眠には、39~40℃のぬるめのお湯に、10~15分ほどゆっくりつかる入浴方法がおすすめです。体の芯まで温まり、さらにリラックス効果も期待できます。お風呂のお湯の温度は自律神経の働きに影響します。自律神経は、興奮状態のときに働く「交感神経」と休息時やリラックスするときに働く「副交感神経」に分けられますが、良質な睡眠に繋げるには、ぬるめのお湯が良いでしょう。ぬるめのお湯の方は、「副交感神経」が優位に働き、心身の緊張がほぐれて、リラックス出来るため、快眠に繋がります。また、お風呂に入るタイミングの目安は、就寝予定からおおよそ1.5時間前です。個人差があるので、自分のベストタイミングを見つけてみてくださいね。

入浴後の過ごし方についても工夫できることはありますか。

 入浴後は、できるだけリラックスできる環境で過ごすことが快眠には欠かせません。他にも、部屋の明かりを落とす(強い光をさける)、スマホやテレビは見ない、音楽の音は控えめにする、寝る前にコーヒーやお酒は飲まないことをお勧めします。 また、布団に入ったときに手足が冷え切っていると、深部体温(体の中の体温)が下がらず、よく眠れないため、お風呂上りには手足を冷やさないようにしてくださいね。今日からお風呂を活用して、質の良い睡眠を目指してください。