はじめての園芸 part5

平成24年から令和4年まで、広報みしまで連載をしてきた【はじめての園芸】を一挙に公開します! ご家庭や地域での花壇づくりの参考にしてみてはいかがでしょうか?

ハサミを使って上手に管理 ㉙

春は多くの花々が店先に並びガーデニングを始めるチャンスです。
買い求めた花を長く楽しむには毎日の維持管理が大切です。そこで活躍するのがハサミです。
咲き終わった花をそのまま放置するとやがて種ができ株を老化させ花付きを悪くさせます。
花がら取りや、伸びて混みあった茎、葉などの切り戻しをハサミで行います。
柔らかなものは指でつまんで取ることもできますが、硬いものは傷口も汚く株にダメージを与えます。
ハサミは剪定バサミのような刃先が太いものではなく、細くとがったガーデニング用バサミをお勧めしますが同じような形状のハサミなら特に問題はありません。
花を長く楽しむ維持管理には必要不可欠の用具といえます。

はさみ
↑ガーデニング用ハサミの例

花の病気対策 ㉚

花がかかる病気の多くが土の中に潜むカビのなかまが原因と言われています。
主に雨や水やりによる土の跳ね返りが発病の引き金となります。また人の手やアブラムシなどの昆虫類、ハサミなどの用具類も病気を拡散させます。
病気にかからないようにするためには病原体が繁殖しにくい環境づくりが重要です。
混みあった枝は整理して風通しを良くし、咲き終わった花がらをこまめに取り除きます。
また苗の購入時にも葉に斑点や変色がないか見極めるのも重要といえます。
万が一かかってしまったときには発病した部分をすぐに取り除き、できれば薬剤散布をします。
病気が株全体に広がってしまったものは他に感染を広げないためにも廃棄をお勧めします。
薬剤はかかっている病気に適合したものを使用基準に基づき散布します。
まずは、感染しにくい環境づくりから始めましょう。
うどんこ病

クリスマスカラーを楽しむ ㉛

12月に入りショーウインドーにはクリスマスの飾りつけが目立ち始め、赤や緑のクリスマスカラーが目を引きます。そんなクリスマスカラーを使ってガーデニングはいかがですか。
赤と緑を基調に白や銀白色の草花を使って寄せ植えを作ります。
初冬から春まで楽しめる少し寒さに強い草花を選びます。
赤や白などの多くの色彩は花々で、緑や銀白色はコニファー(針葉樹)やシルバーリーフ(銀白色の葉を持つ植物)などの葉物類を使って表現します。また赤やピンクの実を付けた実物類を入れたり、ガーデンピックやリボンなどの小物類を飾りつけたりすると更にクリスマス感を演出することができます。
ポイントはちょっとお洒落な鉢を使って彩をあまり多くせず同じ色調で統一することです。
是非チャレンジしてみてください。

クリスマスの素材

ガーデニングのお悩み解決 ㉜

まもなく冬の寒さも終わり、ガーデニングを楽しむいい季節がやってきます。
今年こそは良い花を咲かせようと意気込んでいる方も多いかと思います。
でも「花が咲かない」、「すぐ枯れてしまう」といったお悩みはありませんか。
大切に育てようと買い求めたお花、しっかりと水と肥料はあげていたのに、いつの間にか花数が減り、枯れてしまったということをよく聞きます。そんな失敗を克服してみませんか。お花は自分が好む環境下でないと成長し花を付けません。 失敗の原因はそこにあります。原因を見つけるにはまず育てようとしているお花のことをよく知ることです。お店で見かけるお花の多くが日本の気候に合うように品種改良がされていますが、適応範囲を超えてしまうと生育不良となります。植えこむ土、日に当てる時間、風通し、肥料、水の量などの生育環境を一度確認してみてください。
失敗の原因を見つけだすこともガーデニングの面白いところだと思います。

ガーデニングの醍醐味は土づくりから ㉝

ガーデニングで最も重要な要素は培養土です。
毎年、同じ培養土を利用すると成長が遅れたり、花が咲きにくくなったりします。粒子がなく粉状になった培養土は替え時といえます。
培養土は通気性、保水性が大切になります。最近は色々な培養土が市販されていますが、自分の手で配合した培養土で綺麗な花が咲いたときは、ガーデニングの醍醐味を感じることができます。 一般的な培養土は、赤玉土などの基本用土に樹皮を発酵させて作ったバーク堆肥や腐葉土、鉱物を熱加工してできたバーミキュライトやパーライトなどの土壌改良材を混ぜ合わせたものになります。その他軽石、砂、鹿沼土などを育てる草花の種類により基本用土を変えます。
育てる草花に合わせて配合を微調整できるのも自前の培養土の利点だといえます。

第1回オープンガーデン講習会2

採種から花を育てる ㉞

買い求めた花に種ができ、同じ花が咲くかと思い蒔いたら期待はずれだったことはありませんか。
花が小さかったり、花数が少なかったり、元の花と少し違った花が咲くことがよくあります。店頭で販売されている花の多くが一代雑種(F1)という品種のためです。一代雑種(F1)とは、優れた特長を持つ親株同士を交配して更に優れた特徴を持たせた一代限りの品種をいいます。一代雑種(F1)の種を取り蒔いてもなかなかいい花が咲かないのはそこにあります。しかし全てが一代雑種ではありません。何度も種を取り蒔いても親と同じ特徴を示す固定種の花もたくさんあります。
種を取りそれを蒔いて綺麗な花を咲かせることはガーデニングの究極の楽しみ方といえます。交配を手掛けてオリジナルの花を創り出すのも夢ではありません。
是非チャレンジしてみてください。

より良い環境下で育てる ㉟

ようやく寒さも峠を越えこれからは一雨ごとに気温も上がってきます。気温の上昇とともに芽吹きも始まり、店頭には多くの花々が競い合うように並び自然と足を止めてしまいます。最近は季節の先取りか春の花に交じって夏初の花も販売されているので、寒さには特に注意が必要となります。
このように花々を育てる難しさは、ガーデニングの知識のほかにその日の気温といった天候も大きく関わります。ガーデニングでは主に温度、湿度、日照、降雨、風などが大切な情報となります。天候は自然現象なのであらがうことはできませんが、毎日の天気予報を確認することである程度は対処が可能となります。
春先の低温予報、長雨や高温などの長期予報、台風の進路予想は、貴重な情報となり大切な花々を被害から守ることができます。
日々変わる天候をしっかりと確認しガーデニングに生かせるようにしたいものです。