歴史の小箱
(第243号)企画展 ☆これなーんだ?昔の道具☆【2】 (平成20年8月1日号)
現在開催している企画展(平成20年六月十五日から八月三十一日)の展示資料の一部を紹介します。
Q写真㋐の道具は何でしょうか?
写真ア
A 蝿取り器
蝿を捕るとための道具です。容器の中に水または米の研ぎ汁を入れ、容器の下部にエサを置きます。エサに誘われて寄ってきた蝿は、飛び立つ際にガラスにぶつかり、容器から出られなくなって水の中へ落ちる仕組みになっています。
下水道などが整備される昭和三十年代以前は今より蝿が多く、またエアコンのなかった時代は暑さをしのぐために窓を開け放していたため、蝿の侵入を防ぐことができませんでした。そのため、蝿を駆除するためのさまざまな道具が使われていました。
Q写真㋑の道具は何でしょうか?
写真イ
Aちゃぶ台
食事をするための台で、明治以降に広まりました。脚を折りたたむことができるようになっています。家族
が多く、狭い部屋では、夕食後、ちゃぶ台を片付けて布団を敷くことができます。
ちゃぶ台が広まる以前は、日本には家族が一つのテーブルで食事をする習慣がなく、「箱膳」を使っていました。商家の使用人などが使ったのが始まりとされています。箱の中には、茶碗や小皿、箸などの食器一式が入っており、食事のときには蓋を裏返し、お膳として使いました。食事が終わると茶碗に湯を注いで飲み、布巾で拭いてそのまま箱の中にしまいました。食器は月に数回洗うだけで、食事のたびに洗う習慣はありませんでした。
Q写真㋒の道具は何でしょうか?
写真ウ
A徳利
酒や酢、醤油の保存や運搬に用いる容器です。中でも酒徳利には、 燗 徳利と貧乏徳利があります。燗徳利は、酒を温めるために用いるもので、一合入り(約180ml)から三合入りのものが一般的です。貧乏徳利は、 酒屋が、計り売りの酒を、一定期間毎に代金を請求する方法(掛け売り)で販売する際に用いていたものです。この徳利の側面には、酒屋の名前が記されています。
Q写真㋓の道具は何でしょうか?
写真エ
ヒント
主にふとんの中に入れて足を暖める暖房器具です。
答えは、湯たんぽです。
【平成20年 広報みしま 8月1日号 掲載記事】
歴史の小箱(2008年度)
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