歴史の小箱
(第245号)三島を襲った災害 (平成20年10月1日号)
前回の狩野川台風に続いて、今回はその他に三島を襲った災害について、主なものを紹介します。
丑年の大火
江戸時代の三島は幾度となく大火に見舞われました。その中でも貞享二(一六八五)年十二月十日の火災は、現在の清水町伏見付近に住んでいた大工、利右衛門方から出火、折からの西風にあおられ三島に延焼、三島宿は全部焼失しました。このとき三嶋大明神(大社)も社中残らず火事が燃え移って焼けたとされています。これ
を「丑年の大火」と呼んでいます。
安政東海地震
嘉永七(一八五四)年十一月四日、東海地方に推定マグニチュード8・4の大地震が起こり、各地で大きな被害が出ました。三島宿場内は壊滅的な被害を受け、さらに火災も発生しました。また三嶋大社では、境内の樹木の大半が折れ、建物は全部倒壊しました。
この年、年号が安政に改元されたため安政東海地震となりました。
関東大震災
大正十二(一九二三)年九月一日午前十一時五十八分、東京、神奈川、千葉、茨城、埼玉、山梨、静岡にまたがる大地震が起こりました。震源地は相模湾西南部、地震の規模はマグニチュード7・9、各府県とも大火に見舞われ、また海岸沿いでは津波による惨害を受けました。三島では中郷方面、特に大場で激しい被害がありましたが、他の地域ではそれほど被害はありませんでした。
北伊豆震災
昭和五(一九三〇)年十一月二十六日早朝、函南丹那盆地付近を震源地とする大地震が発生しました。マグニチュード7・3、三島でも震度6の烈震を観測しました。市街地をはじめ至るところで建物が崩壊し、死者・行方不明者二七二人など甚大な被害をもたらしました。
北伊豆震災による三島町の惨状
七夕豪雨
昭和四十九(一九七四)年七月七日、沖ノ鳥島付近の海上で発生した大型の台風8号が静岡県下に長時間にわたり記録的な豪雨をもたらしました。三島では直接的な人的被害はなかったものの、家屋全壊や床上床下浸水など、各所に大きな被害が発生しました。
平成の集中豪雨
平成二(一九九〇)年九月十五日未明から十六日にかけて、三島では総雨量一六一ミリを記録。前日から降り続いた雨と、裾野方面の集中豪雨が同時に大場川に流れ込み、上神川橋付近では水位四メートルの濁流が両岸を超える激流となりました。この結果、大場川沿いの家屋の流失など甚大な被害をもたらしました。
【平成20年 広報みしま 10月1日号 掲載記事】
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