ふるさと探訪
三嶋暦のはなし3 日本の地方暦(ちほうごよみ) (平成17年6月1日号)
漢文で記された具注暦(ぐちゅうれき)を翻訳した仮名(かな)暦の需要が各地で増加してくると、社寺などが独自の暦を発行するようになります。これを地方暦と呼んでいます。
地方暦は、大きく二つに分けることができます。一つは江戸時代以前に存在していた地方暦で、京都には京暦、畿内(きない)のものには丹生(にう)暦、泉州暦、南都(なんと)暦(奈良)がありました。東国では三嶋暦のほかに、大宮暦、鹿島暦が存在していたようですが、大宮暦については実物の存在は確認されていません。
江戸時代になると伊勢暦を筆頭に、江戸暦、会津暦、薩摩暦、仙台暦、秋田暦などのほかに、南部(岩手県)地方に田山(たやま)暦、盛岡暦といった特殊な絵暦(えごよみ)なども出版されるようになります。
これらの地方暦の一部は「三嶋暦師の館」で見ることができます。
【広報みしま 平成17年6月1日号掲載記事】
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