歴史の小箱
(第257号)第二十四回国民文化祭 小倉百人一首かるた競技全国大会 (平成21年10月1日号)
●第二十四回国民文化祭 しずおか2009●
前回の邦楽の祭典に続き、今回はもう一つの事業、小倉百人一首かるた競技全国大会について説明します。小倉百人一首かるた競技全国大会は十一月七日(土)、八日(日)に開催されます。
《小倉百人一首かるた競技大会》
百人の歌人が一首ずつ歌を詠んだものを、百人一首と呼びます。中でも有名なのが、
秋の田の刈穂の庵の 苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ
で始まる小倉百人一首でしょう。
藤原定家が百首選び、所有する小倉山荘に飾ったことから、小倉百人一首と呼ばれています。この百人一首を使って学校やお正月にかるた遊びをした人も多いと思います。
競技かるたは、明治のころ黒岩涙香がルールを制定し、確立されました。百分の一秒を競ってかるたの札を取りあうため、畳の上の格闘技とまでいわれます。お正月明けに日本一を決める「名人戦」や「クイーン戦」をテレビで観てご存じの人も多いでしょう。
国文祭は、そのようなレベルの高い試合を見られるまたとない機会です。今回、全国四十四団体が参加して、都道府県対抗の団体戦を行います。各県の白熱した試合が期待できますが、実は静岡県は全国有数の「かるた王国」です。過去五回開催された国民文化祭においては、優勝が一回、三位以内に二回入っていますし、三十一回続いている全国高等学校選手権では、二十四回優勝と圧倒的な強さを誇っています。そして静岡でかるたの魅力に目覚めた人が、全国に散らばり後輩を育てているのです。
かるた競技は、札を払うスピードだけでなく、歌が詠まれるまでの緊張感や静寂、朗々と詠まれる歌にも注目していただきたいと思います。また、選手は歌を一音で聞きわけますので、集中を妨げないよう静かに競技を楽しんでください。
十一月七日(土)は、四十四チームで予選リーグを行い、八日(日)には勝ち残った十六チームによる決勝トーナメントが行われます。
小倉百人一首かるた競技全国大会は入場無料です。来場者にはお楽しみプレゼントやお茶のおもてなしもありますので、ぜひお出かけください。
また、佐野美術館や、郷土資料館においても国民文化祭関連事業として企画展を開催します。国民文化祭を通し、日本古来の文化を楽しんでいただけたら幸いです。
【平成21年 広報みしま 10月1日号 掲載記事】
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