歴史の小箱
(第79号) ~なつかしい昔の遊び~ 竹ジャンメ (平成6年1月1日号)

道具は竹の棒。巾約1.5㎝、長さ25㎝ほどの割り竹が4本あれば、それで十分です。
遊びには3人ないし4人位が適当な人数でしょう。それぞれが順番に竹の棒を使って演技を行い、失敗したら次の人に交替です。演技は全部で11通りあります。早くおしまいの演技までやり終えた者が勝ちになるという、遊びとはいえ、競技形式でした。
最初の頃の演技は比較的簡単ですが、次第に難易度を増し、なかなか最後までは行き着けないのですが、そこがまた面白く、お互いにこっそり腕を磨いたものだそうです。
演技は次の11通りです。1、投げ 2、立ち 3、人前 4、振り 5、ねじり 6、返し 7、割 8、起し 9、電信柱 10、トンボ 11、家
遊びの一例に10番の「トンボ」を説明します。(写真を参考)
4本の竹をトンボの形に組み、トンボの胴体部分にあたる1本の竹を手の甲でチョンとたたきます。すると、テコの応用で一端の竹が跳【は】ね上がります。その竹が空中にある間に、同じ手で、すばやくつかみ取れば成功です。一見簡単そうに見える遊びですが、実はとても俊敏な反射神経を必要とします。
竹ジャンメは女の子の遊びとして、戦後間もない頃まで、街角や民家の縁側などで盛んに行われていたものでしたが、こうした素朴な遊びは、さまざまな新しい玩具の登場とともに今ではまったく見られなくなってしまいました。また、竹のように、いつでもどこでも手軽に利用できる材料が、子供たちが夢中になれる遊び道具になったのも、現代人にとっては驚きと言えるでしょう。
お正月の休みを利用して、昔の遊びに挑戦してみてはいかがでしょうか。
(広報みしま 平成6年1月1日号掲載記事)
歴史の小箱(1993年度)
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