歴史の小箱
(第308号)暮らしを彩った機械たち(その1) (平成26年1月1日号)
郷土資料館では年に三、四回企画展を開催し、平成二十六年一月三日金からは「暮らしを彩った機械たち」を開催します。
今回その企画展で展示する資料の中で、「家庭で音楽を楽しむ」を可能にした機械、蓄音機を紹介します。
蓄音機が最初に発明されたのは明治十年(一八七七)、発明王エジソンによってでした。その翌年にはイギリス人ユーイングによって日本でも録音・再生の実験が行われています。一般に知られるようになるのは明治時代中期です。
明治三十年代には蓄音機を販売する店が登場しました。レコードが円筒形から現在と同じ円盤型になったのもこのころです。
写真①の蓄音機は、アメリカのビクター社から明治時代中期に発売された蓄音機です。大きなホーンは花型やベル付き、金属製や木製など好みで交換できるようになっていました。
写真1明治36~44年製造の蓄音機
明治時代末期には、ホーンを内蔵して家具らしさを出した蓄音機②が登場しました。上蓋を開くとターンテーブルがあり、上の扉の中は内蔵されたホーンになっていて、ここから音が出ます。
写真2ホーン内蔵型蓄音機
時代を経るにつれ、大きく立派な蓄音機から、小ぶりで扱いやすい蓄音機③に変わっていきます。持ち運びできる蓄音機や、電気蓄音機も登場しました。
写真3ポータブル蓄音機
大正時代、蓄音器は全国に普及し、初期には西洋音楽中心だったレコードも、庶民に人気の義太夫や浪花節など邦楽レコードが発売され人気を博しました。
蓄音機の登場前は、音楽を鑑賞するには会場に足を運ぶしかなく、名人の技を耳にできる機会は限られていましたが、蓄音器とレコードの登場により誰もが優れた音楽を楽しめるようになりました。
【平成26年 広報みしま 1月1日号 掲載記事】
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