ふるさと探訪
歴史の偉人ゆかりの地15 三島田町駅 (井上靖) (平成25年6月1日号)
『しろばんば』など数々の名作で知られる文学者井上靖は、少年時代の一時期を伯母の嫁ぎ先である三島で過ごしています。
当時の生活を描いた自伝的小説『夏草冬濤(なつぐさふゆなみ)』には、主人公の洪作が「町の端れにあった」駅の近くに住む友人のおばを訪ねるシーンがあります。この駅は現在の三島田町駅で、当時は三島町駅と呼ばれていました。
小説に描かれた大正時代、東海道線三島駅(現在の下土狩駅)と伊豆方面を結ぶ駿豆鉄道(現在の伊豆箱根鉄道)の三島町駅からは、沼津までの路面電車も出ていました。雨の日の通学や郷里・湯ヶ島への帰省などに、洪作少年もたびたび三島町駅を利用していたことが小説に描かれています。
三島町駅は昭和三十一年に改称され、現在の名称である三島田町駅となりました。
▲現在の三島田町駅
【広報みしま 平成25年6月1日号掲載記事】
ふるさと探訪(2013年度)
- (第310号)近代化を支えた三島の製糸関係資料 (平成26年3月1日号)
- (第309号)暮らしを彩った機械たち(その2) (平成26年2月1日号)
- (第308号)暮らしを彩った機械たち(その1) (平成26年1月1日号)
- (第307号)郷土資料館展示紹介 伊豆半島・富士山と三島の湧水 (平成25年12月1日号)
- (第306号)三島に伝わる史跡や伝説 (平成25年11月1日号)
- (第305号)弥生時代のコメ作りのムラ西大久保遺跡 (平成25年10月1日号)
- (第304号)家政女学校と実践女学校 (平成25年9月1日号)
- (第303号)困難を極めた丹那トンネルの工事と開通 (平成25年8月1日号)
- (第302号)青木原遺跡出土小銅鐸 (平成25年7月1日号)
- (第301号)寺子屋や漢学塾から受け継がれた三島の教育 (平成25年6月1日号)
- (第300号)稲を生活に利用するわら製品 (平成25年5月1日号)
- (第299号)宿場の仕事を課せられた助郷の村々 (平成25年4月1日号)