歴史の小箱
(第192号) 百年前に夢見た未来~新聞記事「二十一世紀の豫言(よげん)」 (平成16年5月1日号)
二十世紀最初の年1901年。当時はまだテレビもラジオも実用化されていませんでした。飛行機も飛んでいません。そして日本人の平均寿命も45歳くらいだったのです。
写真の新聞は二十世紀の最初の年、1901年(明治34年)1月2日、3日の報知新聞(現、読売新聞)です。
この新聞記事の中に、二十世紀中におこる発展の予言があります。中には、鉄道や通信の発達、医学の進歩などが書かれています。
二十一世紀の今、百年前の「百年後の予言」はどのようになったでしょうか。
無線電信電話 無線電話によりロンドン-東京間で友人同士が対話できる。
遠距離の写真伝送 東京にいる新聞記者がヨーロッパの写真を天然色(カラー)で手に入る。
野獣の減少 アフリカには野生動物がいなくなり、動物園のみで生存している。
サハラ砂漠 肥沃な土地になる
七日間世界一周 文明国の人々は男女とも一回以上、世界を旅行する
蚊(カ)・ノミの滅亡 衛生事業が進み、蚊やノミが徐々に滅亡する。
寒暑知らず 暑さ寒さを調節する空気を送り出すことができる。
植物と電気 電気の力で野菜を生育させ、グリーンランドにも熱帯の植物が育つ
写真電話 電話で相手の姿が見える
自動車の世 馬車がなくなり、自動車が安く買えるようになる。
鉄道の速度 鉄道は電気で走り、時速二百四十キロで東京-神戸間を二時間半で走る
いかがでしょうか、百年前の夢が二十一世紀の今、形を変えながらも多くが実現していることに驚かされます。
さて、これからの私たちは百年後の未来に何を夢み、どのように実現させていくのでしょうか。
郷土資料館企画展「百年前に夢見た未来」では、この記事を元に百年間の道具や電気製品・通信機器の変遷と、三島の移り変わりを紹介しています。
(広報みしま 平成16年5月1日号掲載記事)
歴史の小箱(2004年度)
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