歴史の小箱
(第193号) 百年前に夢見た未来(2) 電話・通信の進歩 (平成16年6月1日号)
「二十世紀の予言」1901年報知新聞の未来予測には、電話・通信に関するものが目立ちます。
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▲無線電信及電話 マルコニー氏發明の無線電信は一層進歩して、只だに電信のみならず、無線電話は世界諸國に聯絡して、東京に在るものが倫敦、紐育にある友人と自由に對話することを得べし。
▲冩眞電話 電話口には對話者の肖像現出するの装置あるべし。
▲買物便法 冩眞電話によりて遠距離にある品物を鑑定し、且つ賣買の契約を整へ、(中略)瞬時に落手することを得ん。
(報知新聞1901年1月2日記事より抜粋)
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ここに記されていることは、テレビ、携帯電話、ファックス、衛星通信、インターネットなどとして実現しています。現在では日常の機器ですが、百年前の予想となると驚かされます。
電信の歴史は古く1837年モールスによって電信機が発明されました。日本では1869(明治2)に東京・横浜間で電報の取り扱いが始まり、徐々に全国に広がっていきました。一方電話は、1876年にグラハム・ベルが実験に成功し、この時アメリカに留学していた二人の日本人が日本語での通話を試しています。日本での電話は1890年(明治23)に開始され、三島での開始は1908年(明治41)からでした。
当時は、声が届くなら荷物も届くだろうと、電線に風呂敷包みをぶら下げたという話や、コレラが電話を通じて伝染して来ると恐れられた時代でした。このような時代背景から、この予測は当時としてもかなり思い切ったものだと思われます。それが百年後に、日常的なものとして実現しました。
またこれらの予測にも驚かされますが、それを実現してきた先人の技術開発とその努力に敬服します。今、私たちが百年後に生き生きとした時代を希望するならば、技術はそれに沿って叶えられるのではないでしょうか。
みなさんは、どのように百年後を予測しますか。
(広報みしま 平成16年6月1日号掲載記事)
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