歴史の小箱
(第194号) 世界の蝶「塚田コレクション」 (平成16年7月1日号)
蝶の美しさは人の心を魅了するといわれるほど、蝶は昔から人々に親しまれてきた昆虫のひとつです。日本は蝶の種類が豊富で、現在約240種類が確認されています。これは日本列島が南北に細長く、寒地や暖地の蝶が生息しているからです。ところが、世界にはなんと約二万種類もの蝶がいます。ヒマラヤの高山から熱帯地域まで、色々な珍しい蝶がいますが、まだまだ人に知られていない蝶もたくさんいると思われます。
そんな世界の蝶の数々が生涯学習センター3階に展示されているのをご存知でしょうか。これは、故・塚田眞氏(泉町、医師)が長年にわたり集められた世界各地の蝶のコレクションです。塚田氏は平成三年にこの世を去りましたが、塚田氏の残した膨大な数の蝶コレクションの中から、特に美しいものや形態の変わったものを選んで展示してあります。
塚田氏は少年の頃から昆虫が大好きだったようです。毎日チョウやセミ、カミキリムシ、タマムシなどを求めて野山を走り回っていたといわれています。当時は家の周りの広瀬あたりにもたくさんの蝶がいたようで、塚田氏はミドリシジミのように、特に小型でかわいいチョウを好んでいました。
本格的な蝶の収集は高校生の頃からで、その頃はこの付近の蝶のほとんどを所有していたそうです。
昭和33年、泉町に塚田医院を開業してからは、台湾の蝶や世界の蝶を収集するようになり、現存する標本箱の数は200箱余りにのぼります。
今回はその中から特に珍しい蝶を紹介します。
《フクロウチョウ》
羽裏の目玉模様はてんてき天敵を驚かすためのもの。普段は羽をたたんでいるが、驚くと羽を広げる。
《ドルーリオオアゲハ》
アフリカ特産の巨大なアゲハチョウ。高い木の上を飛び回り、めったに地上低く降りてこない。
《ウラモジタテハ》
中南米の山地に生息する。羽の裏面には「8」「9」などの数字に似た模様を持っている。
(広報みしま 平成16年7月1日号掲載記事)
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