ふるさとの人物から9   花島兵右衛門(ひょうえもん) (乳業と女子教育)  (平成16年12月1日号)

 明治時代、三島はハイカラな町でした。キリスト教が広まり、英語教育を中心とした薔薇(ばら)女学校に袴(はかま)の女学生が通い、ミルクを飲む人々が増えてきました。これら全てに関係していたのが花島兵右衛門です。1846年、竹林寺小路〈ちくりんじこうじ(中央町3)〉に生まれた兵右衛門はキリスト教の信仰により家業の酒造業を廃止し、酒倉(さかぐら)を学校につくり替え私立薔薇女学校を開校します。

 一方、南才塚〈さいづか(南二日町)〉の土地に牧場を設けて牧畜を始め、牛乳の保存のため煉乳(れんにゅう)の研究を行い、花島煉乳(後に極東煉乳)を設立します。この「金鵄印(きんしじるし)煉乳」は内国勧業博覧会で2等賞を受賞して有名になり、海軍など全国へ出荷されました。銀座三越デパートのアイスクリームの原料でした。

 また豆相(ずそう)鉄道・三島銀行創設など、三島の近代化を担っています。

【広報みしま 平成16年12月1日号掲載記事】